シリーズ11 地域環境は自ら守る
宮田町 如来田の環境を守る会
- 代表:塩川 健
- 会員:12戸24人
- 事務局:鞍手郡宮田町如来田・瑞石寺 本多 文子
- 電話:0949(32)8236
- 運営費:一戸当たり月会費1000円
- 詳細:http://www.chiikinet-fuku.org/member/?GrID=00092
山あいの、戸数わずかに12戸の閑静な集落に、ある日突然、降ってわいたような”事件“が起きた。近くにモーテルが建つという。既に用地は建設業者が取得済みであった。
この集落は宮田町の如来田地区。県道飯塚与福間線が通っていて、モーテル業者が目をつけたのだ。昭和56年のことである。地元では直ちに反対の声が上がったが、さて具体的にどうしたら良いのか…。
だが、地元あげて「生活、教育環境を守ろう」という思いで結束した。同年4月、地域づくり団体訪問 一シリーズ・¶『如来田の環境を守る会』が結成された。同会の事務局長を務める本多文子さんは「とにかく、ジツとしていては始まらない」と、町や県、県立図血菖飴、行政監察局などに出向き、少しずつ牌旧報を集めて行った。
判例や学術論文にも励む
「何にも知らないところから始めたのです。今、思っても驚くばかりです」 と本多さん。どこか1カ所で、一度で問題解決を得る方法はなかったが、粘り強く全国の情報を集め、裁判の判例や学術論文も読み、理論武装を重ねた。
宮田町当局への熱心な働きかけで一応の町朱例は出釆たが (同年9月)、さて、その規制力は?裁判の判例も不確定だ。そこで本多さん達はさらに関係方面に相談に足を運ぶ。妙手を知った。「建築協定」(建築規準法69未) である。これは地主達が協定を結び、地域全体の土地利用に網をかけるもの。もちろん地主達の賛同を得なければならない。本多さん達は数多くの地主の説得に走った。
郷土の一体感が生まれた
昭和58年7月、如来田地区の建築協定に知事認可が下り、これで同地区のモーテル建設は不可能になった。 これらの貴重な体験を通し、地区の12戸50人の人々は改めて郷土意識を共有した。学習会を通しての交流、定期的なゴミ笑めや草刈り作業。最近は県道バイパス計画や生活排水処理問題などについて 「郷土一体」の話が地に着いて進む。また、この運動を通じて全国の他団体との交流も始まった。