シリーズ12 安全な水と職の確保を
石けんを広め自然環境を守る久留米市民の会
- 代表:福山 郁子
- 会員:団体17、個人340人
- 事務局:久留米市中央町21−17久留米市労連内
- 電話:0942(30)9188
- 運営費:個人/300円(年間)
団体一口/3,000円(同) - 詳細:http://www.chiikinet-fuku.org/member/?GrID=00111
このグループの運動の主張はきわめて明快だ。「合成洗剤の使用をやめて石けんを使うこと」。『会』を結成して今年で22年目。運動は着実に市民層に広がり現在、『会』のもとに集う団体は地元の生協、自然保護団体、企業労組、婦人団体など17を数える。 運動は切実な生活体験の中から始まった。昭和50年代に入り学校給食 の調理員の間から「手が荒れて困る」という苦情が上がるようになった。調べてみると「指紋が消えた」▽「爪が変型している」といった恐いケースも報告された。現在の『会』の中心人物、甲斐紀美代さん(事務局長)など仲間があれこれ、情報収集し原因は合成洗剤であると断じた。ちょうど、合成洗剤による皮膚障害が全国的に社会問題化した時代であった。久留米市当局に訴えた結果、昭和52年9月、市側も認め、学校給食での石けん使用に切りかえられた。画期的なことであった。しかし、本当の運動はこれからであった。なぜなら一般社会では広く、合成洗剤が使われているではないか?!
市が『リサイクル石けん工房』を建設
「子供たちに安全でおいしい給食を」という当『会』の運動の原点は今も変らない。事務局を支える中心メンバーは現在も学校給食の調理員さんたちだ。だが冒頭にも紹介した通り、運動は学校現場から広く一般社会に浸透している。行政当局の理解と協力もあって運動に弾みがついた。平成12年1月、久留米市清掃工場の一角に廃油を利用した『リサイクル石けん工房』が建設され、『会』の運動拠点が確保できた。
視点は広く自然環境保護へ
同『工房』では土・日曜や夏休みなどを利用して一般市民や親子を対象に、石けんづくりの実地指導をおこなっている。当『会』の目標とするものは(1)きれいな水と安全な食べものを(2)合成洗剤の追放(3)生活を見直し地球にやさしい暮らしを。地道に、着実に、息永くとりくんでいくことにしている。