シリーズ15 本を通して若者を育て、学ぶ
遠賀町に誕生、「ふれんず」
- 代表:豊丹生(ぶにゆう)裕子
- 会員:14人
- 事務局:遠賀郡遠賀町広渡1750 「ふれんず」
- 電話:093(293)3859
- 運営費:大人(月300円)
子供たちに絵本のおもしろさを知ってもらおうと、ボランティアで本の読み聞かせを始めて今年で17年目になる。「おんがにじの会」の活動だ。中心人物、豊丹生(ぶにゅう)裕子さん(52)は昭和61年10月の「会」の発足当時、2児の母として子育てに追われ、悩み、自分の生い立ちを考え、思い当ったことがあった。子供時代、学校の行き帰りにも歩きつつ本を読み、溝に落ちたこともある思い出。「今の子供はテレビゲームに目を奪われ、本の本当の魅力を知っているのだろうか?」。古今東西の名作が、図書館が各地に普及した今、”埋れて眠っている″のではないか?
豊丹生さんを中心に賛同者が集まって「会」を結成した。工夫をこらした、大型紙芝居、電気仕掛けのブラックシアター等。評判を呼び、各地からお呼びがかかる。幼稚園、小中学校。老人ホームも。みんな、実は本が好きなのであった。
押し付けでなく子供と共に
本の読み聞かせをするうち、豊丹生さん達の周囲にひとつの確信が形成されて来た。「私たち大人の思いを一方的に伝えるだけでなく、子供たちの声に耳を傾けてみよう」。子供たちはいろいろな表情を持っているが、実はそれぞれ必死に生きている。勉強が嫌いで不登校気味だが、音楽が好きな子。茶髪だが、男の子なのに日本舞踊を習って得意な子。この男子は「踊ってみせようか」と目を輝やかせた。豊丹生さんは思わず金子みすず(詩人)の詩の一節を思い出した。「みんな違って、みんな良い」この精神でやろう。
新しく芸術表現を入れる
今年10月5日から豊丹生さんは「会」を離れて仲間と新しい活動を始めた。「ふれんず」と称す。会員は地元の高校生を中心に幼児からお年寄りまで14人。従前の「会」とは連携をとりつつ変わった点といえば「歌と朗読と創作」を軸にダイナミックな芸術表現をとり入れる活動にしたこと。もちろん遠賀町で。幸い、プロの、日本でも高名な音楽家(複数)、影絵画家、写真家などが青少年のアドバイザーとして加わる。豊丹生さんの人脈だ。新しい試みに豊丹生さんが燃える。