シリーズ16 本業を兼ねて地域づくり

東峰村(旧小石原村) 鼓の里陶器部会
  • 代表:和田隆男
  • 会員:窯元12軒
  • 事務局:朝倉郡東峰村大字小石原鼓3492-2
  • 電話:0946(74)2729
  • 運営費:不要。「つづみの里」の陶器の売上げの一部を運営費にあてる。

 300年以上の歴史と伝統を誇る小石原焼。現在、窯元が53軒あるが、村の中心部から4qほど離れた鼓地区にも12軒のまとまった窯元があり、『鼓の里陶器部会』を結成。昭和60年の設立。小石原焼の歴史からすると日が浅いが、その設立の経緯が興味深い。当初は7軒、今は少し増えたが、窯元のほとんどが脱サラや転職組で「焼物を本職にしたい」と決心した人達だ。

現在の代表和田隆男さん(土秀窯)からして以前は自動車修理工場で働いていた。「あの頃は私もまだ30代そこそこでした」と往事を偲ぶ。あれから20年。国道211号沿いに古風な木造平屋の焼物展示場『つづみの里』があるが、実はこの建物、昔の鼓小学校の校舎(廃校)だ。和田さんを始め、窯元の多くの人が卒業生でもある。

活動は多彩 人気の陶芸大学

 当初、村おこしの一念で『鼓の里陶器部会』を立ち上げた。これまでに、いろいろな企画やイベントを打ち地元の交流や観光客の誘致に実績を積んで来たが、現在の取組みを中心に紹介しよう。

(1)陶芸大学 平成元年スタート。初め、シロウト向けの陶芸入門として始めた。評判を呼び、毎週土曜日には遠くは山口や長崎からも学びに来る人が。職業はさまざま。後に窯元になった人もいる。今までの卒業生は約1000人に。 一昨年から卒業生を対象に上級コースを始めた。陶器の世界は奥が深い。もちろん一般向けの入門コースも用意している。
こうも人気が高いのは「窯元が直々に指導する」ため。当然、力がつくはずだ。月謝1万円。

植樹、ヤマメ放流 親子交流も盛ん

 (2)植樹 国道211号沿いに毎年、モミジを植える。今や2qはあるモミジ街道となり村の名所である。

(3)ヤマメの放流 地元の大肥川に、昔は稚魚を1000尾、今は成魚も一緒に放流。「釣り料はいりません」という大らかさ。
その他、毎年8月には魚のつかみどりなど地元の親子交流を実施。地域づくりにしっかり貢献している。