シリーズ17 シロウトの一芸でボランティア
小郡市 福祉演芸グループ「青空会」
- 代表:高島英子
- 会員:約100人
- 事務局:小郡市小郡689-57
- 電話:0942(72)9506
- 運営費:月額500円
誰にでも一芸はある。例えばカラオケ、踊り、尺八、手品…。そのような一芸でボランティア活動をしよう−というのが「青空会」の活動だ。きわめて明快そのものだ。芸の上手、下手ではない。要は「お年寄りの皆さんと、楽しいひとときを過せれば」という、心のボランティアなのだ。
会は、とにかく明るく、にぎやかで元気な人たちの集りだ。会員は現在、約100人。シロウト芸とは言え「下手を通してはいけない。真剣に誠心誠意で」と会長の高島英子さ
ん(70)。会員は、普段からそれぞれの教室に通い、芸を磨く。中にはプロもいる。カラオケ教室の主宰者、元プロの旅まわり役者、現役の演歌歌手もいる。職業も年齢もさまざま。主婦、施設職員、看護師、司会業、元自衛官、前市会議員…と実に多彩だ。
徹底したボランティア精神
会員の共通する思いは一つ。老入ホーム、身障者施設などを訪れ、お年寄りとの触れあいを図ることだ。最近は人気が出て、敬老会や村祭りなどからのお呼びが増え、遠く県外にまで出かける羽目になった。月平均7〜8回の出演というから、これは相当なハードスケジュールだ。
実際の運営となると大変。シロウト芸とは言っても他人さまに披露するものだから、衣装や飾りなど、それなりの装いが必要だ。例えば「旅芸者」の場合、中古のカツラとなると10万円はする。それを自前で…。交通費は自己負担、出演先からの謝礼は一切、受けとらない。会のボランティア精神は徹底している。 こんな活動が、会の結成から今年で8年目にして既に1000回を超えた。
お年寄りの笑顔が喜び
「どうしてそのように奉仕の心が厚いのですか?」。会長の高島さんはニッコリ笑って「それは多分、会員の皆さんも、やって楽しいからでしょう」。気難しいお年寄りが笑顔を浮かべた時、それは一番の喜びだという。元白衛官で「靖国の母」の踊りを得意とする坂本昇朗さん(70)も深くうなずついた。 「私たちは、ボランティアをしてやっているのではなく、させて頂いているのです。私たちが喜びを頂いているのです」と高島さん。従って、会の活動は「慰問」は禁句だし、おじいちゃん、おばあちゃんとの呼び掛けも禁句。○○さんと名前を呼ぶ。 2人の子を育て、専業主婦から脱した高島さん。夫に支えられ、今、社会での活動に大きく息をはずませている。