シリーズ20 農業女性の誇りと自信づくり
前原市 農業女性の会『つばさ』
- 代表:松吉とよこ
- 会員:役員23人
- 事務局:前原市役所農政課内 〒819-1192前原市前原1-1
- 電話:092(323)1111(内1620)
「農業女性の地位向上を図り、農業女性が誇りと充実感をもって農業に取組むことを目指そう」と、前原市農業女性の会『つばさ』が結成されたのは平成7年4月。女性農村アドバイザー、OB及びJA女性部役員等で委員会を作り前原市や普及センターJAの協力を得ながら、さまざまな事業を展開して来た。
今年で13年目。この2月10日、合同公演界「農力フォーラム〜前原の農力をみんなで高めよう」は伊都文化会館大ホールで開かれ焼く550人が参加。九州大学農学部の教官3人など5人のパネラーなどによる講演会、パネルディスカッション、イチゴなど農産物が当たる抽選会と大変な盛況であった。
そのような様子を見ながら、現在の5代目会長、松吉とよこさんは感無量。この13年間の思い出が走馬灯のように脳裏をよぎった。食と農、男女共同参画社会の推進などを柱に研修会、講演会、異業種団体の交流会、先進地視察など、さまざまな活動を行ってきた。”わいわいトーク”「暮らしやすい農村にしたかね」▽「いとのくに収穫祭」など、肩のこらない楽しいイベントの一方、まじめで堅いテーマにも挑戦した。九州大学教授を講師に「新農業基本法について」を勉強した(平成12年7月)。普段、学ぶ機会の少ない法律について学んだことは、とても刺激になった。また、「市長との懇談会」(平成14年8月)は行政トップと農業について意見交換する初めての機会でもあり、普段、あまり気にかけない行政が身近なものに思えた。
「つばさ」がこれから取組むべき課題は多い。まず、最近よく言われる「食育」。子供たちに教えるだけでなく、親も一緒に考えたい。それから、農業者と消費者との交流▽地産地消▽男女共同参画意識のさらなる推進ーなど。
当面、「つばさ」が関心を深めているのが「家族経営協定」の締結。これは農家の家族一人ひとりが、意欲をもって農業経営をやれるために、経営方針や家族一人ひとりの役割を定め、働きやすい環境を整備するもので、家族内の話し合いから始め、最後は第三者の立ち合いのもと、文書にしてまとめる段階に至る必要がある。「家族なのに、なんでそこまで?」と否定的な見方もあるが、次第に広がりを見せて来た。新しい農村の生活スタイルと言ってもよいだろう。
もうひとつ。「つばさ」では前原市で初めての女性農業委員を誕生させようと取組む。昨年の選挙では惜しくも落選したが「今度こそ」と意中の立候補予定者を盛り立てる。「つばさ」には明日がある。